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【プロオタク先輩インタビュー】第3回 鈴木静華さん(フォトグラファー)後編

生活系の書籍・雑誌や、手仕事ものの撮影など、第一線で活躍するフォトグラファーです。

鈴木さんに、「写真が上手になるには?」についてうかがいました。

オタクの方はもちろん、SNSや家族写真などで、写真を撮る機会が多い方は必読です。


『食パンをもっとおいしくする99の魔法』より


こんなに楽しいことがあるんだ!

――写真を好きになったきっかけは?

鈴木「大学で写真部に入ったのがきっかけだったんですよ。理系だったんですけど、勉強じゃないことがやりたいなって思って。 すごくふらっと入ったんですけど、『こんなに楽しいことが世の中にあるんだ!』って思ったのが写真で」


――そこからどうしてプロになった?

鈴木「大学生活4年間は写真部で、大学院に行きながら写真学校に通って。そのときからスタジオで働きながら、個人のカメラマンについてアシスタントもしつつっていう感じです。本当よくできたなって思うけど、何も知らなかったからこそ飛び込めたなっていう感じです」


――鈴木さんの師匠は、現代骨董の第一人者・坂田和實さんの著書の写真などで有名な小泉佳春さん。どうして弟子入りしたんですか?

鈴木「その師匠の写真を雑誌とか書籍で見ていて。私もそのときは本当に若かったので、たいした考えもまとまっていなくて、友達とケーキを食べている写真とか、普通の女子大生のような写真を持っていったんですよ。師匠はわかってくれて、まだ本当に何にも写真のことをわかっていないんだな、良い意味でまだ何にも染まっていないなと考えてくださって、10何人面接した中で私に決めてくださったんです」


「好きを仕事にしない」のも悪くない

――好きを仕事にしたんですね。

鈴木「好きを仕事にしていい部分と悪い部分がありますよ(笑)」


――悪い部分ってどこですか?

鈴木「仕事になってしまったので、こうするとよく撮れるとか、余計な知識が入っちゃったなって思います。純粋に撮れなくて、テクニックになっちゃっている。20代の写真は、今はもうよくも悪くも撮れない。平日会社員をして、週末好きな写真を撮るっていう人生も楽しかっただろうなって思います」


写真に撮ればひとつ世界が広がる

――今までで記憶に残っている撮影ってあります?

鈴木「いろいろあるんですけど、たとえば去年、初めて撮らせていただいたガーデンの本。今まで植物とかお花とかは好きだったんですけど、そんなにガーデンの世界を知らなかったんです。でも本当に盛り上がっていて、休みの日とか、個人の人が開いているガーデンに全国から人が集まったりするんですよ。そんなのぜんぜん知らなかったんですけど。その世界に触れてガーデンの本を撮れたのは、自分としてもいろいろ広がって、楽しかったなって思います。

 単なるお花畑ではなくて、道があって、そこに計算されて植物が配置されている。ここ歩いていくとここの景色がきれいというようにできあがっていて。早朝の庭がきれいだったり、夕方沈んで薄暗くなったときに色があるお花はこんなに映えるんだな、とか。知らない世界だったので発見がありましたね」


1日1000枚以上写真を撮る

――それもある意味オタク。ガーデンオタクしか気づかない世界観があるわけだから。そこに共感して、鈴木さんの意識も変わったりとか。

鈴木「そうですね。ガーデナーさんがどこから見る風景が一番好きなのかっていうのも聞いたり。1日に1000枚どころじゃなく撮っていました。使われるのは数十枚ですけど。

 特にカメラマンの仕事は恵まれているなって思うんですけど、その人の話を聞けるわけなので、直接聞いちゃったら、共感もなにも、共感を越えるところまで引きずり込まれちゃう。毎日がすごい体験をさせてもらっているなっていう感じですかね」


写真に「愛」が出る

――それが大事なんですね。感動するポイントというか。それが写真に現れていなかったらナシですもんね。オタクって、自分の好きなものに対して毎日『すごい体験』をしているわけですから。

鈴木「写真に愛が出ますね。撮るものに対しての愛の深さ。オタクパワーはすごいので、私も講座では負けないようにしないと、ですね(笑)」


写真を撮っていれば幸せ

――写真を撮ることの一番幸せなところ、うれしいことってなんですか?

鈴木「基本、写真を撮っていれば一番幸せなんですけどね。職業にしたいっていうところから入っているわけではなくて、写真が好きで職業にしたっていう流れなので。写真を撮れていれば幸せだけど、『あ、今日よく撮れたな!』っていうときはうれしいですね」


――よく撮れたって、どういう感じなんですか?

鈴木「今日は光がよかったな、とか」


――そういう偶然性にも左右されるのか。

鈴木「今日行った場所だったり、出会った人が素敵だったらそれもうれしいですね。そんな出会いがあったっていうことが」

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