【プロオタク先輩インタビュー】第3回 鈴木静華さん(フォトグラファー)前編
- プロオタク講座事務局
- 2019年7月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2019年7月3日
生活系の書籍・雑誌や、手仕事ものの撮影など、第一線で活躍するフォトグラファーです。
講座本番を控え、まずは写真の超初心者から抜け出す方法をお伝えします。

よい写真を撮るコツは「意識」
――写真には知っていたらいい写真が撮れるコツとかあるものなんですか?
鈴木「光や構図について考えるなどの基本的な知識も必要ですが、まず初心者を抜け出すためには、意識を変えていけばいいと思います。
たとえば、ピントがボケていても気にしない方なんかもいらっしゃいますよね。その意識が変わるだけでも上手になります」
――いろいろなことに『意識』を持つ練習をするってことですか?
鈴木「そうです。意識を持つと、普段から『こういう背景で撮ればいいかも』『こういう光で撮ればきれいかも』っていうのが、ふとした瞬間に気づくようになるかなと思います」
尊敬する師匠に出会い意識が変わった
――鈴木さんは、写真家の小泉佳春さんに師事されていましたよね。「意識」が変わったようなことはあったんですか。
鈴木「全然変わりましたね。たとえば、写真を撮るときの背景ひとつとっても、自分で板を塗ったりつくったりしていました」
――たしかに、背景って買ってくるものだと思っていて、「作る」という意識はありませんでした。
鈴木「直接教えてもらったわけではなくて。たとえば構図でいうと、自分の中で『なんとなくここだと落ち着く』ってところが、少しずつわかってきた感じですね。正解があるわけではないですが、バランスよく見える構図ってあると思うんです」
――そうか。私たちは写真のことを知っているようで、実は何も見えていなくて、意識を持つとだんだん見えてくるものがあるということなんですね。
鈴木「本を持ってきて、『こういう風に撮ってください』って言われることもあるんです。『こういう風』ってなにをもって言っているのか。光なのか、ボカし具合なのか、どういう部分がいいのかって、その人に細かくうかがっていくんです」
まず「自分がどんな写真を撮りたいか?」を知ろう
――プロは細かく見ているから、一枚の写真に対しても分析できる。それが意識が高いということかもしれないですね。でも、写真に詳しくない人でも、「この写真がいい」「こういうふうに撮りたい」とは言うことができますね。
鈴木「その、何がいいと思っているのかっていうのが必要かもしれないですね。もっとどういう風にしたいのかがわかっているのとわかっていないのとでは、ぜんぜんちがいます」
――どういう風に撮りたいっていうのが明確なほうがいい。それを達成するにはどうしたらいいかっていうのを考えたらいいってことですよね。
鈴木「漠然と『もっとよい写真を』って思っていて、それ以外はわかりませんっていう感じかもしれませんが、本当は自分の『こう撮りたい』っていうのを持っていると思う。この講座で、それをちゃんと聞いていければいいなと思います」
「見せるための写真」と「さっと撮っただけの写真」はちがう
――SNSを見ると、たくさんの写真が上がっていると思いますが、プロとしてそれをどう見ていますか?
鈴木「見せるための写真ではなく、記録写真だと思います。さっと撮ってもきれいな場合もあるんですけど、メモ代わりの写真と、きれいな写真は違うと思います」
1枚2枚ではなく、いっぱい撮ってみよう
――ほとんどの人が「記録写真」「メモ代わりの写真」にとどまっちゃっている。そこからもう一歩出るには?
鈴木「そこはやっぱり意識のちがいですかね。その1枚のために、自分がどこまでこだわれるか。みなさん1枚しか撮らないのではないでしょうか。もっといろいろ撮ってもいいと思います。角度とか、位置とか、もっといろいろ試してみることも大切です」
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